2025/10/26

[MLB WS] The Echo of Dominance at Rogers Centre: Yoshinobu Yamamoto Ties the WS with Back-to-Back Complete Games | Blue Jays vs Dodgers Game 2 (October 26, 2025)

ざわついたロジャース・センターに響いたのは、快投のエコー。山本由伸、伝説に並ぶ2戦連続完投でWSタイに戻す。 | ブルージェイズ vs ドジャース Game 2(2025年10月26日)

ざわついたロジャース・センターに響いたのは、快投のエコー。山本由伸、伝説に並ぶ2戦連続完投でWSタイに戻す。 | ブルージェイズ vs ドジャース Game 2(2025年10月26日)

舞台はワールドシリーズ第2戦。前夜に**11失点の大敗**を喫したドジャースにとって、連敗だけは避けたい一戦で、ロジャース・センターは独特の熱気に包まれていた。結果は**ドジャース 5-1 ブルージェイズ**。この勝利のすべては、先発した**山本由伸**の右腕にあったと言っていい。初回に先制しながらも3回に追いつかれる展開だったが、エース同士の息詰まる投手戦を、スミスとマンシーのホームランでドジャースが突き放す。そして、そのリードを鉄壁のピッチングで守り切った山本が、**ポストシーズン2試合連続完投**という24年ぶりの快挙を成し遂げ、シリーズを1勝1敗のタイに戻してロサンゼルスへ帰還する。


📊 スコア表:静寂を生み出した105球のパーフェクト・ピッチング

チーム 1 2 3 4 5 6 7 8 9
ドジャース 1 0 0 0 0 0 2 2 0 5 6 0
ブルージェイズ 0 0 1 0 0 0 0 0 0 1 4 0
  • 球場名: ロジャース・センター
  • 観客数: 44,607人
  • 試合時間: 2時間36分
  • 責任投手:
    • 勝利投手: ドジャース 山本 由伸 (3勝1敗0S)
    • 敗戦投手: ブルージェイズ ケビン・ガウスマン (2勝2敗0S)
  • 本塁打:
    • ドジャース: ウィル・スミス 1号(7回表 ソロ)、マックス・マンシー 2号(7回表 ソロ)

⚾ 得点経過

  • 1回表: ドジャース ウィル・スミス、二死二塁からセンターへのタイムリーヒット。TOR 0-1 LAD。
  • 3回裏: ブルージェイズ アレハンドロ・カーク、一死一・三塁からセンターへの犠牲フライ。TOR 1-1 LAD。
  • 7回表: ドジャース ウィル・スミス、一死無塁からレフトへ勝ち越しソロ本塁打。TOR 1-2 LAD。
  • 7回表: ドジャース マックス・マンシー、二死無塁からレフトへソロ本塁打。TOR 1-3 LAD。
  • 8回表: ドジャース フレディ・フリーマン、一死満塁で暴投により三塁走者生還。TOR 1-4 LAD。
  • 8回表: ドジャース ウィル・スミス、一死満塁からショートゴロで三塁走者生還。TOR 1-5 LAD。

🧾 スターティングメンバー(ポジション別対比)

ドジャース 位置 ブルージェイズ
大谷 翔平 (.222) ジョージ・スプリンガー (.255)
ムーキー・ベッツ (.289) ネーサン・ルークス (.325)
フレディ・フリーマン (.214) V. ゲレロJr. (.447)
ウィル・スミス (.290) アレハンドロ・カーク (.271)
T. ヘルナンデス (.250) ドールトン・バーショ (.277)
マックス・マンシー (.219) アーニー・クレメント (.435)
キケ・ヘルナンデス (.300) アディソン・バーガー (.324)
トミー・エドマン (.289) カイナーファレファ (.217)
アンディ・パヘス (.077) アンドレス・ヒメネス (.262)
山本 由伸 (1.83) K. ガウスマン (2.00)

🧠 Baseball Freak的分析──「組み立て」の再構築と、その静かなる勝利

🔬 注目打者(または投手)の分析

今夜の主役は紛れもなく**山本由伸**だ。初回に無死一、三塁のピンチを招き、3回に同点犠飛を許すまでの立ち上がりは、球数もかさみ(初回23球)、正直「今日は大丈夫か?」と誰もが思ったはず。しかし、彼の本領はそこから発揮される。3回二死以降、なんと**20者連続アウト**のパーフェクトピッチング。敵将シュナイダー監督も「彼が素晴らしかった。チャンスがほぼなかった」とお手上げ状態だったという。前回登板の完投に続く快投は、**ポストシーズン2試合連続完投**という24年ぶりの偉業。スタミナという概念を超越した彼のピッチングは、まさに「**構造**」そのものを破壊する力があった。ストレートの球速はシーズンアベレージを上回り、代名詞の「ヨーヨーカーブ」やスプリットがゾーン内外に完璧に決まる。初回にゲレロJr.をカーブで三振に仕留めた瞬間、ブルージェイズ打線の「**組み立て**」は既に崩れていた。

📐 打線の繋がり(または継投の分岐点)

両エース(山本・ガウスマン)の超ハイレベルな投手戦に、均衡を破ったのはやはり一発だった。7回表、ガウスマンが16者連続アウトという圧巻の投球を続けていた中、**ウィル・スミス**が直球を捉えてレフトスタンドへ勝ち越しソロ。さらに2死から**マックス・マンシー**が渾身の95.9mphの速球を叩き込み、リードを2点に広げた。ガウスマンは直前の5イニング、わずか6球/イニングで片付けるなど完璧な流れだったが、この2本で一気に降板。この**配置の妙**こそがドジャースの勝因だ。ガウスマンの疲労が蓄積し始める7回というタイミングで、これまで沈黙していた打線の中軸が目覚めた。特に、スミスの本塁打は、ドジャース打線がガウスマンの代名詞である速球をこの日45球目で初めて仕留めた一撃であり、その瞬間に試合の「**流れ**」は完全にドジャースへと傾いた。

📈 采配と流れの考察

采配という点では、ロバーツ監督が**山本を最後まで投げ切らせた**ことがすべてだ。8回裏に三者連続三振で93球に抑えた後、「最後までいけると思いませんでしたけど、しっかり1イニングずつ投げていけた」という山本の言葉通り、監督は彼のコンディションと集中力を信じ抜いた。前夜のブルペン炎上を見れば、無理をさせたくないという判断も理解できるが、ポストシーズンで連敗スタートだけは避けたいという切実な状況が、**エースへの全幅の信頼**という「賭け」に繋がった。ブルージェイズは8回、バーランドからホフマンへの継投が暴投という形で失点につながり、結果的に「**噛み合わせ**」が悪くなった。山本の快投がもたらした静寂の中、ブルージェイズの継投はわずかな動揺で崩壊したと言える。


🔮 今後の展望

舞台はロサンゼルスへ。1勝1敗のタイに戻したドジャースにとって、本拠地での3連戦は極めて大きい。このシリーズの流れは、第1戦の「ブルージェイズの猛打」から、第2戦の「山本の超絶ピッチング」へと完全に振り戻された。重要なのは、この勢いを繋げられるかという点だ。大谷は今日もヒット1本に終わり、第1戦でも「チャンスがほぼなかった」という指摘がある通り、**打線の「繋がり」にまだ課題**を残している。山本が作った最高の「流れ」を、ムーキー・ベッツや大谷翔平といったトップスターが、ホームで確かな結果に変えていけるか。この「**組み立て**」の再構築が、ドジャースの浮沈を握る。

ブルージェイズにとっては、本拠地で1勝1敗は決して悪くない結果だが、前日の11得点が一夜にして4安打1得点に沈黙した事実は重い。彼らは「**流れ**」を掴んだ時の爆発力は証明したが、相手の好投手を崩す「**組み立て**」の柔軟性が問われている。特に初回、無死一・三塁でゲレロJr.が三振に倒れた場面は、シュナイダー監督が「我々にとって絶好の機会だった」と振り返るように、大きな分岐点だった。彼らの強力打線が、ドジャースタジアムで再びその「**構造**」を爆発させられるか。それとも、ドジャース投手陣の「配置の妙」に封じられるのか。

シリーズの流れは再びニュートラルへ。しかし、エースの快投は単なる1勝以上の価値を持つ。次なる舞台、ドジャースタジアムで、この「静かなる勝利」の余韻は、爆発的な連勝へと繋がるのか?

© Baseball Freak / 公式に準拠

出典: MLB Advanced Media, 日刊スポーツ, Full-Count, スポーツ報知, LA Timesなど

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