2025/12/01

[Trivia] 🐧ユニフォーム・背番号に関するトリビア / 🐧 Trivia about uniforms and jersey number

ユニフォーム・背番号に関するトリビア

ユニフォーム・背番号に関するトリビア

トリビア 4-1:ホームが「白」でビジターが「色付き」なのは洗濯事情のせい

プロ野球では、ホームチームが「白(ホワイト)」、ビジターチームが「グレーや色付き」のユニフォームを着るのが原則です。このルールの起源は、19世紀末〜20世紀初頭のメジャーリーグにあります。

当時は遠征(移動)が長期間に及び、現在のように高性能な洗濯機やクリーニングサービスが遠征先ですぐに利用できる環境ではありませんでした。

そのため、ビジターチームは連戦でユニフォームが泥や煤(蒸気機関車の移動によるもの)で汚れても目立たないように「グレー」を採用し、逆にホームチームは毎日洗濯ができるため「清潔な白」を着用しました。この衛生面と洗濯事情から生まれた習慣が、100年以上経った今も「ホーム=白」という伝統として残っているのです。

トリビア 4-2:背番号の起源は「打順」だった

現在、背番号は選手の「顔」とも言える識別記号ですが、1929年にニューヨーク・ヤンキースが本格的に背番号を採用した際、その決め方は極めて事務的でした。

当時の「打順(ラインナップ)」がそのまま背番号になっていたのです。

そのため、3番打者のベーブ・ルースは「3番」、4番打者のルー・ゲーリッグは「4番」をつけました。これが、野球において一桁の番号(特に3や4)に強打者のイメージがある原点です。当初は背番号制度に「囚人みたいだ」と反発もありましたが、観客から「選手が見分けやすい」と好評を博し、すぐに定着しました。

トリビア 4-3:日本特有のエースナンバー「18」と歌舞伎の関係

メジャーリーグでは、エース投手がつける番号はバラバラ(バーランダーの35、シャーザーの31など)ですが、日本のプロ野球では「18番」がエースの象徴とされています。

これには諸説ありますが、一つは伝説の投手・スタルヒンや若林忠志がつけて活躍したこと。そしてもう一つ有力なのが、歌舞伎の「歌舞伎十八番(おはこ)」という言葉の文化的な影響です。

日本には「最も得意な芸=十八番(オハコ)」と呼ぶ文化があり、これが「チームで最も優れた投手」と結びつき、18番がエースナンバーとして神格化されたと言われています。日本独自の文化と野球が融合した興味深い例です。

トリビア 4-4:ヤンキースのユニフォームに「選手名」がない理由

ほとんどの球団のユニフォームの背中には、背番号の上に選手の名前(ネーム)が入っていますが、ニューヨーク・ヤンキースのホームユニフォームには名前がありません。

これは、「球団(チーム)の価値は個人よりも重い」「ヤンキースのユニフォームを着ている時点で、誰であるかはファンなら分かっているはずだ」という伝統と誇りによるものです。

商業的には名前を入れた方がユニフォームが売れやすいのですが、ヤンキースはこの「チーム・ファースト」の哲学を貫き、ピンストライプに番号のみというシンプルさを100年近く守り続けています。

トリビア 4-5:ユニフォームの下に履く「白い靴下」は命を守るためだった

ユニフォームのズボンの裾からチラリと見える、チームカラーの靴下(ストッキング)。かつては、その下に必ず「白い衛生ソックス(アンダーソックス)」を履き、二重履きにしていました。

これは昔、色付きの靴下に使われていた染料が粗悪で、スライディング等で足に傷を負った際、傷口から染料が入って「破傷風」「敗血症」を起こす事故が多発したためです。

命に関わる感染症を防ぐために、肌に直接触れる部分は「無害な白い布」である必要がありました。現在、足首部分が大きくカットされた「くりくりストッキング」のデザインが残っているのは、元々「白い衛生ソックスを見せるため(安全の証)」だった名残と言われています。

トリビア 4-6:監督が「ユニフォーム」を着る唯一のスポーツ

サッカーやバスケなど、多くのスポーツで監督はスーツやジャージを着用しますが、野球の監督だけは選手と同じ「ユニフォーム」を着用します。

これは、野球の黎明期において監督が「キャプテン(選手兼任監督)」としてフィールドでプレイしていた名残です。ルール上、監督がマウンドに行ったり審判に抗議したりするためには、グラウンド内に入る資格(=ユニフォーム着用)が必要とされました。

現在では専任監督がほとんどで、お腹の出た監督がユニフォームを着る姿に違和感を持つ人もいますが、「いつでも戦える仲間である」という野球特有の一体感を象徴するスタイルです。

トリビア 4-7:縦縞(ピンストライプ)は「太め」を隠すため?

縦縞のユニフォームといえばヤンキースや阪神タイガースが有名ですが、これが流行した理由の一つに面白い俗説があります。

一説によると、「身体の大きな選手(一説にはベーブ・ルースなど)を少しでもスリムに、スマートに見せるための視覚効果」として採用されたと言われています。

実際にはルース入団前から縦縞は存在していましたが、膨張色の「白」単色だと太って見えるのを防ぎ、選手を精悍に見せるファッション効果として縦縞が重宝されたのは事実です。今では「強さ」の象徴ですが、元々は「見栄え」の工夫から広まったデザインなのです。

トリビア 4-8:世界で永久欠番になった「42」

メジャーリーグ全30球団で共通して「永久欠番」になっている唯一の番号が「42」です。これは、黒人初のメジャーリーガー、ジャッキー・ロビンソンを称えるためのものです。

彼が人種の壁を破ってデビューしてから50周年の1997年に制定されました。しかし、毎年4月15日の「ジャッキー・ロビンソン・デー」だけは例外で、選手も監督もコーチも、希望する全員が背番号42をつけて試合を行います。

普段は誰もつけられない番号を、この日だけは全員が背負う。個人の特定を不可能にすることで、「我々は一つだ」というメッセージを発信する、スポーツ界で最も感動的なイベントの一つです。

トリビア 4-9:背番号「0」と「00」は別の数字

高校野球などアマチュア野球では背番号1〜9などが一般的ですが、プロ野球では「0」「00」という背番号も認められています。

数学的には0も00も同じゼロですが、野球のルール(および記録管理上)では、「0」と「00」は全く別の数字として扱われます。したがって、同じチームに背番号0の選手と、背番号00の選手が同時に存在することが可能です(例:阪神タイガースなどで実例あり)。

ちなみに、一桁の番号が埋まってしまった俊足の選手や、心機一転を図る選手が好んで選ぶ傾向があります。

トリビア 4-10:昔のユニフォームは「ウール」で地獄の重さだった

現在のユニフォームは軽量で通気性の良いポリエステル製メッシュなどが主流ですが、1960年代頃までは「ウール(フランネル)」素材が使われていました。

ウールは保温性が高いため、真夏のデーゲームではサウナスーツのような暑さになりました。さらに最悪なのは、汗や雨を吸った時です。水分を含んだウールのユニフォームは数キログラムもの重さになり、選手の体力を奪いました。

1970年代に化学繊維の「ダブルニット」が登場した時、選手たちはその軽さと涼しさに「これでやっと野球に集中できる」と歓喜したと言われています。過去の選手は、文字通り「重い」ユニフォームを背負って戦っていたのです。

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