高橋遥人、8回1死までの沈黙。佐藤輝明、初回の一撃。虎、圧巻の3連勝で日本シリーズへ | 阪神タイガース vs DeNA CS G3 | 2025年10月17日
JERA クライマックスシリーズ セ ファイナルステージ第3戦(阪神1勝アドバンテージ含む)。甲子園球場で行われたこの一戦は、虎がその強さを見せつける展開となった。初回、佐藤輝明の3ランで試合の主導権を握ると、3回にも大山のタイムリーで追加点。投げては先発・髙橋遥人が8回途中までノーヒットピッチングの快投。DeNA打線をわずか3安打に抑え込み、4-0で完封勝利。アドバンテージを含め4勝0敗とし、2年ぶりの日本シリーズ進出を決めた。甲子園が、揺れた。
📊 スコア表:一発攻勢と継投の粘り
| チーム | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 計 | 安 | 失 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| DeNA | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 3 | 0 |
| 阪神 | 3 | 0 | 1 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | X | 4 | 7 | 1 |
- 球場: 阪神甲子園球場
- 観客数: 42,649人
- 試合時間: 3時間0分
- 【勝】髙橋 遥人 (1勝0敗)
- 【敗】ケイ (0勝1敗)
- 【本塁打】[神] 佐藤 輝明 1号(1回裏3ラン)
⚾ 得点経過
- 1回裏(神 3-0 デ): これぞ4番。一死一二塁の場面で、佐藤輝明がDeNA先発ケイの初球スライダーを完璧に捉えた。打球はバックスクリーンへ一直線。甲子園のボルテージを一気に最高潮にする、先制の3ランホームラン。
- 3回裏(神 4-0 デ): 二死一二塁。ここで5番・大山悠輔が、ケイのスライダーに食らいつく。レフトフェンス直撃のタイムリーツーベース。CSに入り快音のなかった大山に待望の一打が生まれ、貴重な4点目を追加した。
🧾 スターティングメンバー(ポジション別対比)
| 打順 | 位置 | 阪神タイガース | 打率 | 打順 | 位置 | DeNAベイスターズ | 打率 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 1 | 中 | 近本 光司 (左) | .143 | 1 | 右 | 蝦名 達夫 (右) | .200 |
| 2 | 二 | 中野 拓夢 (左) | .143 | 2 | 中 | 桑原 将志 (右) | .300 |
| 3 | 右 | 森下 翔太 (右) | .714 | 3 | 左 | 佐野 恵太 (左) | .333 |
| 4 | 三 | 佐藤 輝明 (左) | .500 | 4 | 三 | 筒香 嘉智 (左) | .286 |
| 5 | 一 | 大山 悠輔 (右) | .000 | 5 | 一 | 牧 秀悟 (右) | .333 |
| 6 | 左 | 前川 右京 (左) | .000 | 6 | 捕 | 山本 祐大 (右) | .167 |
| 7 | 遊 | 木浪 聖也 (左) | .000 | 7 | 二 | 林 琢真 (左) | .286 |
| 8 | 捕 | 坂本 誠志郎 (右) | .000 | 8 | 遊 | 石上 泰輝 (左) | .125 |
| 9 | 投 | 髙橋 遥人 (左) | - | 9 | 投 | ケイ (左) | - |
🧠 Baseball Freak的分析──“語れる打撃”と“投手陣の砦”
🔬 注目打者の分析
今日の試合、数字の上ではDeNA先発ケイは「虎キラー」のはずだった(参考記事:今季防御率0.85)。だが、その“相性”をわずか1球で粉砕したのが佐藤輝明だ。初回のチャンス、初球のスライダーを振り抜いた打球は、甲子園の夜空に美しい放物線を描いた。あのスイングは、データや相性を超えた「4番」の意志そのもの。そして、CSに入ってからスタメン表の打率が.000と苦しんでいた大山悠輔。彼もまた、今季打率.111(参考記事)と抑え込まれていたケイから、執念のフェンス直撃タイムリーを放った。数字の上では「不調」や「苦手」と表示される。だが、短期決戦で求められるのは、その一瞬で結果を出す勝負強さ。まさに“語れる打撃”が、この二人から生まれた。
📐 得点への“流れ”の作り方
1回の3点は、佐藤輝の一発だけで語られがちだ。しかし、そこに至る“流れ”こそが重要だ。先頭・近本がヒットで出塁。続く中野のバントは結果的に進塁打にならなかった(捕ゴロ)が、絶好調の3番・森下が死球で繋ぐ。この「1番から3番までがチャンスを作る」という打線の“役割”が機能したからこそ、4番の一撃が生まれた。3回の追加点も、中野の死球、森下の四球という「待つ」選択が、大山のタイムリーを引き出している。一発攻勢に見えて、その実、上位打線が粘り強く作ったチャンスを中軸が仕留めるという、タイガースの勝ちパターンが凝縮されていた。
📈 投手陣が守り切った“砦”
そして、この試合の主役は間違いなく髙橋遥人だろう。8回1死までDeNA打線を沈黙させたノーヒットピッチングは圧巻だった。だが、Baseball Freakとして注目したいのは、その“後”だ。突如訪れた1死満塁のピンチ。ここで戸柱を浅い左飛に打ち取った髙橋の粘り。そして、2死満塁という絶体絶命の場面で登板した石井大智。3連投(参考記事より)の疲労がある中で、蝦名を渾身のストレートで空振り三振に斬った。あの1球が、DeNAの最後の希望を断ち切った。髙橋が作り上げた試合の“空気”を、石井が守り抜き、岩崎が締める。これ以上ない理想的な投手リレーだった。
🔮 今後の展望
アドバンテージを含めて4勝0敗。DeNAを圧倒し、文句なしの日本シリーズ進出だ。レギュラーシーズンの強さをそのままポストシーズンに持ち込んだ。特に、髙橋遥人という「切り札」が、これ以上ない最高の形で機能したことは、次のステージに向けて最大の収穫と言える。
短期決戦の怖さ。それは、たった一つのプレーで流れが変わること。今日の8回、石井があそこで抑えていなければ、どうなっていたか分からない。だが、タイガースは、その“たられば”を許さなかった。個々の選手の強さと、チームとしての揺るぎない戦い方が、ここ甲子園で証明された。
さあ、舞台は整った。待つのはパ・リーグの猛者。2年ぶりの「アレ」の先にある、本当の頂へ。この甲子園の熱狂を、そのまま日本シリーズに持っていこうじゃないか。我々の“最強”は、まだ証明されたばかりだ。
📺 試合ハイライト
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