2025/10/17

[PLCS] “ギータ”の「語れる一発」が、粘りの構造を破壊した──ソフトバンク vs 日本ハム Game2 (2025/10/16)

“ギータ”の「語れる一発」が、粘りの構造を破壊した──ソフトバンク vs 日本ハム Game2 | Baseball Freak Blog

“ギータ”の「語れる一発」が、粘りの構造を破壊した──ソフトバンク vs 日本ハム Game2 (2025年10月16日)

パ・リーグのクライマックスシリーズ ファイナルステージ第2戦、みずほPayPayドームでの一戦は、昨日同様の息詰まる投手戦となりました。リーグ覇者ソフトバンクが、8回裏に飛び出した柳田悠岐の値千金のスリーランで均衡を破り、3-0で日本ハムを下しました。アドバンテージを含め3勝0敗と一気に王手。先発・有原航平が要所を締める6回無失点の粘投を見せれば、後続の継投陣も日本ハム打線を完封。対する日本ハムは、先発・福島蓮が7回まで完璧な投球を見せるも、8回に新庄監督の続投采配が裏目に出る形となり、打線も6安打ながら10残塁と、あと一本が出ない「つながりの欠如」が響きました。短期決戦の怖さと、一発の破壊力を改めて見せつけた、ソフトバンクの勝利です。

📊 スコア表:一発攻勢と継投の粘り

1 2 3 4 5 6 7 8 9
日本ハム 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 6 0
ソフトバンク 0 0 0 0 0 0 0 3 X 3 6 0
  • 球場名: みずほPayPayドーム
  • 観客数: 39,337人
  • 試合時間: 3時間7分
  • 勝利投手: ソフトバンク 松本裕 (1勝0敗0S)
  • 敗戦投手: 日本ハム 福島 (0勝1敗0S)
  • セーブ: ソフトバンク 杉山 (0勝0敗1S)
  • 本塁打: ソフトバンク 柳田 1号(8回裏3ラン)

⚾ 得点経過

  • 8回裏 (ソ 3-0 日):
    • 山川が三塁強襲の内野安打で出塁(このプレー、サード細川はグラブに当てており、捕球すべき打球だったかもしれない)。
    • 海野が送りバント成功で一死二塁。
    • 代打・川瀬晃が四球を選び一死一、二塁。ここで日本ハムは投手を福島から上原へ交代。
    • 打席には柳田 悠岐。上原の3球目、外角低めを狙ったストレートが真ん中高めに浮いたところを逃さず、レフトスタンドへ先制の3ランホームラン!

🧾 スターティングメンバー(ポジション別対比)

位置 ソフトバンク 打率 日本ハム 打率
左翼 (1) 柳田 悠岐 .250 万波 中正 (右) .667
右翼 (2) 柳町 達 .400 淺間 大基 (中) -
三塁 (3) 栗原 陵矢 .500 清宮 幸太郎 (三) .000
一塁 (4) 中村 晃 .000 レイエス (指) .600
中堅 (5) 牧原 大成 .000 マルティネス (一) -
遊撃 (6) 今宮 健太 .400 田宮 裕涼 (捕) -
指名打者 (7) 山川 穂高 .250 郡司 裕也 (左) .000
捕手 (8) 海野 隆司 .333 石井 一成 (二) .250
二塁 (9) 野村 勇 .250 水野 達稀 (遊) -
先発投手 有原 航平 - 福島 蓮 -

🧠 Baseball Freak的分析──“語れる打撃”と“構造の揺らぎ”

🔬 注目打者の分析

今日の主役は、もちろん柳田悠岐、この人に尽きる。7回までわずか2安打と完璧に抑えられていたソフトバンク打線の中で、8回の殊勲打は「待望」の一言では片付けられない、短期決戦の構造そのものを破壊する一撃だった。打った球は、代わったばかりの上原の150km/hストレート。これを逆方向のレフトスタンドへ運んだ。「ちょっと詰まった」という言葉とは裏腹に、あの場面で「打つしかない」と集中し、カウント1-1から浮いた球を逃さない。これは、技術論だけでなく、長期離脱の悔しさを短期決戦で晴らそうとする「語れる文脈」を背負った打撃。シーズン中、優勝に貢献できなかったという負い目があるからこそ、その一振りに「価値」と「物語」が乗る。CS通算10本塁打は内川聖一氏に並ぶ歴代最多タイ。数字だけでなく、その背景にある感情の余韻こそが、Baseball Freakが語りたい部分なんだ。

📐 打線の構造分析

試合を通して見ると、日本ハムの先発・福島蓮にソフトバンク打線は完全に封じられていた。7回までノーヒットノーランの空気すら漂い、福島が投げた116球はキャリア最多という中で、ソフトバンクは「粘り」で対応するしかなかった。しかし、8回の先頭・山川が三塁線を破る内野安打(記録はHも、守備の乱れと捉えるべき)で流れが一変。続く海野が冷静にバントを決め、代打川瀬が四球を選ぶという、「個の力」ではなく「構造を揺さぶる」つなぎが、福島をマウンドから引きずり降ろした。福島続投を決断した新庄采配の「構造の揺らぎ」を、ソフトバンクは冷静に、そして執拗に突いた。短期決戦では、完璧な投球も、一つのミスや四球、そして「球数」という数値で規定される投手の疲労によって、脆く崩れるもの。柳田の一発は、その崩れた構造の上に築かれた、必然の一打だったと言えるだろう。

📈 継投の構造維持

一方、ソフトバンク投手陣の構造維持は見事だった。先発・有原航平は本調子ではないながらも、1回、4回、6回と何度も得点圏に走者を背負う大ピンチを招きながらも、粘り切った。特に、4回・6回の一死満塁で迎えた郡司裕也への攻め方が秀逸。徹底して内角へのツーシームで勝負し、いずれも凡退に仕留めた。「単打OK」と割り切り、クリーンアップとの無理な勝負を避けた「チームとしての攻め方」が光る。6回96球で降板した後も、ヘルナンデス、松本裕樹(勝利投手)、杉山一樹と繋ぎ、相手に一切得点を与えない。特に勝利投手となった松本裕は8回を無失点で抑え、柳田の決勝弾を呼び込んだ。日本ハムが10残塁とつながりを欠いたのは、ソフトバンクの「構造的な」継投策が、彼らの打線に「隙」を与えなかった証拠だ。

🔮 今後の展望

ソフトバンクはこれで日本シリーズ進出に王手。貯金はアドバンテージを含め「3」。明日勝てば、宿敵との対決への切符を手にする。今日の勝利は、7回までわずか2安打に抑えられながらも、8回に一気に流れを掴むという、短期決戦における「勝負強さ」と「経験値」の賜物だ。特に、柳田の決勝弾がチームにもたらす勢いは計り知れない。明日は、因縁の上沢直之が先発。元日本ハムのエースが、古巣相手にどのようなピッチングを見せるのか。この「ストーリー」を味方につけられるかどうかが、ソフトバンクの焦点となるだろう。

崖っぷちに立たされた日本ハムは、後がない。「0勝3敗」という絶望的な状況。今日の敗戦は、粘投した福島を引っ張りすぎた新庄采配の「裏目」と、10残塁という打線の「つながりの欠如」が明確な敗因だ。明日先発の伊藤大海は中4日での登板。体力的にも精神的にも厳しい状況だが、ファイナルステージの第1戦で完封負けを喫しているだけに、明日こそ「何かが変わる」一勝を掴まなければならない。新庄監督は「明日からまた四つ勝ったら、またドラマ起こる」と語ったが、この絶望的な状況から、本当に「ドラマ」を起こせるのか?

野球の神様は、構造的なミスを犯したチームに、一瞬の「語れる打撃」という名の破壊力を与えて試練を与える。日本ハムは、その試練を乗り越え、本当に奇跡の逆転劇を起こせるのか。明日の一戦、我々は再び構造の揺らぎを見ることになるのだろうか?
出典: パーソル パ・リーグTV、スポーツ各紙の報道に準拠
著作権: Baseball Freak / 公式に準拠

0 件のコメント:

コメントを投稿

注: コメントを投稿できるのは、このブログのメンバーだけです。

Baseball Freak 人気記事