狂乱の初回、そしてサヨナラの結末──DeNA vs 巨人 Game2(2025年10月12日)
セ・リーグCSファーストステージ第2戦、DeNAの1勝で迎えたこの一戦は、まさかの初回に全てが詰まっていた。巨人が5点リードを奪うも、その裏、DeNAが同点に追いつくという「乱戦」。その後は両軍の継投が粘り、試合は延長戦へ。11回表に巨人に勝ち越しを許したが、直後の11回裏に林琢真、蝦名達夫の連続タイムリーでDeNAが7-6でサヨナラ勝ち。DeNAが連勝で2年連続のCSファイナルステージ進出を決めた、劇的な総力戦だった。
---📊 スコア表:一発攻勢と継投の粘り
| チーム | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 10 | 11 | 計 | 安 | 失 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 巨人 | 5 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 1 | 6 | 13 | 1 |
| DeNA | 5 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 2X | 7 | 11 | 1 |
- 球場名: 横浜スタジアム
- 観客数: 33,767人
- 試合時間: 4時間31分
- 勝利投手: 佐々木 千隼 (1勝)
- 敗戦投手: 田中 瑛斗 (1敗)
- 本塁打:
- 巨人: 佐々木 俊輔 1号(1回表ソロ)、中山 礼都 1号(1回表3ラン)
- DeNA: 佐野 恵太 1号(1回裏2ラン)、石上 泰輝 1号(1回裏3ラン)
⚾ 得点経過
- 1回表:巨人 1番 佐々木 俊輔、ライトスタンドへ先制ソロHR(デ 0-1 巨)
- 1回表:巨人 6番 中山 礼都、右中間へ3ランHR(デ 0-4 巨)
- 1回表:巨人 9番 戸郷 翔征、センターへタイムリーヒット(デ 0-5 巨)
- 1回裏:DeNA 3番 佐野 恵太、ライトスタンドへ反撃の2ランHR(デ 2-5 巨)
- 1回裏:DeNA 7番 石上 泰輝、レフトスタンドへ同点3ランHR(デ 5-5 巨)
- 11回表:巨人 1番 佐々木 俊輔、ファーストへの勝ち越しタイムリー内野安打(デ 5-6 巨)
- 11回裏:DeNA 8番 林 琢真、二死二塁からレフトへの同点タイムリーヒット(デ 6-6 巨)
- 11回裏:DeNA 1番 蝦名 達夫、二死一三塁からサヨナラヒット(デ 7-6 巨)
🧾 スターティングメンバー(ポジション別対比)
| Pos. | 巨人 | DeNA |
|---|---|---|
| (右) | 中山 礼都 | 蝦名 達夫 |
| (中) | 佐々木 俊輔 | 桑原 将志 |
| (左) | キャベッジ | 佐野 恵太 |
| (三) | 岡本 和真 | 筒香 嘉智 |
| (一) | リチャード | 牧 秀悟 |
| (捕) | 岸田 行倫 | 山本 祐大 |
| (二) | 吉川 尚輝 | 林 琢真 |
| (遊) | 泉口 友汰 | 石上 泰輝 |
| (投) | 戸郷 翔征 | ジャクソン |
🧠 Baseball Freak的分析──“語れる打撃”と“構造の揺らぎ”
🔬 注目打者の分析
この試合の主役は、初回にホームランを放った4人に尽きる。巨人・佐々木俊輔、中山礼都の2発で、「CSは短期決戦の戸郷」という構造的な優位性を一気に現実のものにしたかと思いきや、DeNA・佐野恵太、石上泰輝がすぐに叩き返した。特にルーキー石上の同点3ランは、試合の持つ心理的な意味を完全にリセットする、「カウンター・パンチ」だった。彼のバットが、チームの感情を「諦め」から「戦意」へと再構築した。そして最後は、延長11回に林、蝦名が勝負を決める。数字以上に、彼らの「一瞬の集中力」が勝敗を分けた。
📐 打線の構造分析
巨人の13安打、DeNAの11安打という数字だけ見れば、巨人が優勢にも見える。しかし、巨人の打線は「初回に全てを注ぎ込んだ」後の、「構造の断裂」が顕著だった。2回以降、DeNAの石田裕太郎、平良拳太郎ら救援陣の前に、打線が線として繋がらない。単発のヒットは出るものの、ランナーを進め、得点に結びつける「連動性」を失った。一方DeNAは、初回に追い付いた後、粘りの継投で沈黙の時間を耐え抜き、11回裏、石上の盗塁から林、蝦名と、下位・上位の連動で得点を奪い取った。この「粘りと連動」の有無が、最終的な「結果のギャップ」を生んだ。
📈 継投の構造維持
DeNAの勝利は、リリーフ陣の「構造的粘り」に他ならない。先発ジャクソンが5失点炎上という「構造崩壊」を起こしながら、2番手石田裕太郎が4回無失点で流れを完全に引き戻したのが大きい。平良も2回無失点でつなぎ、ブルペン全体で試合を「タイのまま」維持する「時間稼ぎの妙」を見せた。巨人は、勝ち越しを許した直後の11回裏、田中瑛斗がDeNAの粘りの前に屈した。総力戦の果て、継投の「最後のピース」が崩れたことが、巨人のファーストステージ敗退に直結してしまったわけだ。
---🔮 今後の展望
DeNAが2連勝でファイナルステージへ。この第2戦は、「短期決戦のメンタリティ」がスコアボードに如実に現れた試合だった。5点差をすぐに追いつくというDeNAの「底力」は、シーズンを象徴する粘り強さそのもの。これで勢いは最高潮に達しただろう。巨人は、持てる力の全てをぶつけたが、一歩及ばず。この経験は、来季への大きな課題として残るが、若手・佐々木や中山らがCSの舞台で結果を出したことは、確かな「来季への希望」となるはず。
しかし、野球は「流れ」のスポーツ。この死闘の疲労が、中3日で始まる甲子園でのファイナルステージにどう響くか。勢いか、疲労か。DeNAは、短期決戦の難しさと面白さを同時に体現した。
初回に5点取られて、すぐに5点取り返す。これほどまでに感情の余韻を残す野球は、なかなか見られない。数字の構造が崩壊したにもかかわらず、チームの構造が崩れなかったDeNA。彼らはこの「狂乱の記憶」を力に変えて、絶対王者・阪神の牙城にどう挑むのか?
0 件のコメント:
コメントを投稿
注: コメントを投稿できるのは、このブログのメンバーだけです。